どんな土地でもログハウスは建てられる?土地選びの前に確認したい重要ポイントとは?
Choosing the Ideal Land for Your Log Home – EP1

ログハウスを建てるには、まず土地選びからスタートする必要があります。しかし、どのように土地を探せばよいのか分からず、なんとなく進めてしまっている方も少なくないでしょう。満足のいく土地に出会うためには、事前の準備や土地探しのポイントを理解しておくことが重要です。今回は、理想のマイホームを実現するための土地探しのポイントをご紹介します。
ログハウスに最適なのは郊外?それとも市街地?
ログハウスと聞くと、多くの人が豊かな自然の中に建っている姿を思い浮かべるのではないでしょうか。実際、ログハウスを好む人の多くは、山や森、川や湖など、自然に囲まれた美しい景観の土地を求める傾向があります。
とはいえ、生活の利便性や職場との距離を考慮し、都心に近い市街地に建てたいと考える人も少なくありません。
しかし、ログハウスは防火基準の面で多くの制約があるため、ビルが密集するような都市の中心部では建築が難しいのが現実です。また、静かで落ち着いた住宅街であっても、防火地域などの法的規制により建設が認められない場合も少なくありません。
ログハウスは防火地域では建築不可?
これまで、都市計画法に基づき定められた「防火地域」や「準防火地域」、また特定行政庁が指定する「法22条・23条地域」などでは、隣の土地や道路に近い部分(1階は3メートル以内、2階は5メートル以内)に燃えにくい外壁材を使う必要がありました。たとえば、ログ壁の上からサイディングなどの不燃素材で覆うといった対応が求められていました。そのため、こうした防火の規制がある地域では、ログハウスは建てられないと考えられてきました。


近年では、数多くの防火・耐火実験を通じて、ログハウスの耐火性能が適切に評価されるようになってきました。もともとログ壁に使われる木材は、一般的な在来工法の木材よりも太くて密度が高いため、表面が燃えても内部まで火が進みにくく、自然に鎮火するほどの高い耐火性を備えています。
それにもかかわらず、建築基準法では「可燃性の木材が外部に露出している」という理由から、「不燃材料」としては認められていません。
しかし現在では、防火窓や防火ドアなど、所定の条件を満たすことで、厳しい規制がかかる「防火地域」においても、準耐火認定を受けているログハウスの建築が可能になっています。
また、ログハウスの中には、認定を受けなくても建築できるタイプも存在します。中でも代表的なのが、外壁にログをそのまま使わない「ティンバーフレーム」の住宅です。ティンバーフレームは、骨組みが壁の内部にくるため、耐火性能の高い外壁を使うことが容易な仕様となっています。
後編では、日本各地の自然豊かなログハウスが多い地域を紹介いたします。
予定公開日:2025年6月12