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ハンドヒューンとは

 ハンドヒューンとは

ハンドヒューンとは、伐採した木の樹皮や凸凹、耐久性の低い白太(辺材)を手斧などを使ってハツリ(削り)を行い、建築物などに使用する丸太、角材、板などの建築材として加工することを指します。
この木材加工技法は古来より世界各地にて使用されてきましたが、現在では木材の殆どが製材所の機械によってプレカットされています。その為、一からハンドヒューンによって作られた木材は、今日では滅多に目にすることが無くなりました。

 ハンドヒューン表面加工

ハンドヒューンされた木材は、プレカットされた製材には無いデザイン性(削り痕による不規則なパターン模様)に加えて、経年劣化(エイジング)することで深みのある味わいを醸し出す美しさを兼ね揃えています。しかし、原木を一からハンドヒューンするには多用な時間・労力、そして技術を要するため、建築コストが大きく膨らみ、あまり現実的ではありません。

そこで、現代建築・製材ニーズ・コストを考慮した、「プレカットされた製材の表面のみに手作業にて削り痕を加える加工(ハンドヒューン)を施し、一から手作業で削られて仕上げられた木材に見せる」技法が編み出されました。
この加工技法を「ハンドヒューン表面加工」と言い、日本でも昔から使われてきた「名栗(なぐり)」もこれに含まれます。

 名栗(なぐり)とその歴史

名栗(なぐり)とは、日本古来より伝わる丸太・角材・板などに釿(ちょうな)や鑿(のみ)、与岐(よき)等のハツリ加工に使われる大工道具にて削り痕を残す加工技術を指し、茶室スタイルを取り入れた数寄屋建築には欠かせない技法でした。かの千利休(1522年 - 1591年)も、茶室の柱などに名栗加工を好んで採り入れていたことでも知られております。

釿(ちょうな)による名栗(なぐり)
弓削村道路元標

名栗(なぐり)という名前の由来は、天保年間(江戸時代)に京都府北桑田郡弓削村(現:京都市右京区京北の北端あたり)の杣職であった鵜子久兵衛(うこ きゅうべえ)が、栗の木を使った六角の柱の表面に波形に剥った柄を施した木材を売り出したところ、出来栄えが良く好評だったため「九兵衛の有名なる栗丸太」と認知されるようになり、それを短縮して「名栗丸太」と売り広めたのが山間の材木を扱う「鷹々峰の材木屋圓長」とされています。

そして、その波形の削り痕の加工が一般的に名栗(なぐり)と呼称されるようになったと言われております。

引用元(一部抜粋/要約)

林学博士 白澤保美氏が寄稿した「武蔵野の森林並其特徴」と題した論文

(引用元:安島喜一氏)

 海外のハンドヒューン表面加工

写真上部がアンティークアッズ打ちで、下部が現代アッズ打ち

現代アッズ打ち

大径材を使ったログハウスなどで使用されているハンドヒューン表面加工には大きく分けて2つあります。1つは名栗(なぐり)のような二枚貝(ホタテ貝の殻)に似た不規則的な丸みを帯びたパターン模様が特徴で、現代アッズを使って削り痕を加えていきます。

アンティークアッズ打ち

もう1つは、アンティークアッズ(刃先が平らで横広)を使い、表面を平らに削り取る方法です。現代アッズ打ちによるハンドヒューン表面加工とは違い、打ち付けた際の切り込み線が入るのが特徴です。また、削り痕は現代アッズ打ちよりも四角形に近い形になります。数百年前に建てられたログハウスの殆どは、アンティークアッズによる削り痕仕上げが施されています。

現代アッズ打ちによる表面加工
アンティークアッズ打ちによる表面加工