角ログハウスが丸ログハウスに比べて優れている理由について、その特徴や利点を具体的なポイントに分けて詳しく解説していきます。角ログハウスの魅力や機能性を比較しながら、どのような点で丸ログハウスを上回るのかをご紹介いたします。
Why are square log cabins superior to round log cabins? – Ep1

ログハウスという言葉を聞けば、多くの人がまず思い浮かべるのは、丸太を積み上げた木の家ではないでしょうか。その印象通り、丸太造りのログハウスには独特の魅力が詰まっています。何よりも、自然素材ならではの温かみや、ログ材の持つ質感、そして力強くもどこか野趣あふれる美しさが、人々を惹きつける大きな要因です。
さらに、丸太そのものが持つ香りや肌触りは、木材特有のリラックス効果をもたらしてくれます。ログハウスの中に身を置くだけで、自然の中に抱かれているような安心感と癒しを味わえるのは、大きな特徴と言えるでしょう。特に、丸太の曲線が作り出す柔らかい雰囲気と包容力は、心地よい住空間を求める人々にとって理想的です。
また、丸ログハウスのもう一つの魅力は、その高い耐久性と頑丈さです。丸太をそのまま構造材として使用しているため、伝統的な在来工法の建物と比較しても優れた堅牢性を誇ります。このような強さと自然の風合いが融合したログハウスは、時を経ても変わらない魅力を持ち続け、多くの人の憧れの住まいとなっています。
しかしながら、丸ログハウスにはその独自性ゆえの課題もいくつか存在します。
丸ログハウスが抱える弱点とは

1. 気密性と断熱性の課題
丸ログはその形状上、接合部分に小さな隙間が生じることがあります。このため、建物全体の気密性や断熱性が低下しやすい傾向があります。特に寒冷地や高温多湿の地域では、隙間風や熱損失が問題となる場合があります。これを解決するためには、断熱材やシーリング材の適切な施工が必要ですが、それがコストや施工の手間につながることもあります。
2. 湿度変化による収縮と変形
木材は湿度や温度の変化に非常に敏感であり、湿気を吸収すると膨張し、乾燥すると収縮するという特性があります。そのため、時間の経過とともに形状が変化することは避けられませんが、丸ログも例外ではありません。特に、丸ログハウスでは大径材のログを使用するため、その分形状変化の幅が大きくなり、建物の構造に影響を及ぼす可能性があります。このような変化により、ログ材の間に隙間が生じたり、表面にクラック(ひび割れ)が発生したりすることがあります。
3. 紫外線や雨風の影響
丸ログハウスは、その特徴である外部に露出した丸みを帯びたログ壁によって、平たいログ壁に比べて紫外線や雨風の影響を受けやすい構造となっています。特に、表面が曲線的な形状であるため、水が流れ落ちにくく、雨や雪がログ同士の隙間に溜まりやすいという欠点があります。このような状況は、水漏れや腐食を引き起こすリスクを高め、長期的な耐久性やメンテナンスの負担に影響を及ぼす可能性がある点で注意が必要です。
4. メンテナンスの手間
丸ログハウスの壁は、波状のように丸みを帯びた形状をしているため、平坦なログ壁に比べて表面の面積が広くなります。この独特な形状により、ステイン塗装や防腐処理の量が増えるだけでなく、塗装作業そのものが複雑化し、手間と時間を要するという課題があります。曲面の多い構造は、塗料が均一に行き渡りにくい箇所が生じる可能性があり、仕上げの難易度が上がることから、熟練した技術と丁寧な作業が求められます。
5. 家具やインテリアの制約
丸太の壁は独特の曲線を描いているため、家具の配置や収納スペースを確保する際に一定の制約が生じることがあります。特に、壁に密着させて設置したい家具や収納棚などを選ぶ際には、丸みを帯びた壁に合わせた工夫が必要となり、平坦な壁と比べて利便性が低下する場合があります。また、丸ログ特有の形状が室内空間をわずかに圧迫することもあり、それが視覚的な広がりを損ない、リラックス効果が減少する可能性も否定できません。
次回は、なぜ「角ログハウスが丸ログハウスよりも優れているのか」を、ポイントごとに解説していきます。
公開予定日:2025年1月21日
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