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なぜ角ログハウスが丸ログハウスよりも優れているのか、ポイントを解説!【後編】|【日本ダブテイル協会】

2025年01月21日 - 一般

前編では、丸ログハウスの課題をポイントごとに分けて解説しましたが、定期的なメンテナンスやステインなどの防腐処理を施すことで、従来の住宅よりも長寿命を実現できることは確かです。しかし、丸ログハウスはもともと木材加工の手間が少なく、短期間で施工できることから、歴史的には貧しい開拓民たちの住処として広く利用されてきた背景があります。

Why are square log cabins superior to round log cabins? – Ep2

一方で、角ログハウスは丸ログとは異なり、木材の両面(又は全面)をフラットに削り出すことで、より洗練された構造を実現しています。これにより、丸ログハウスに比べて雨風や紫外線からのダメージを軽減し、さらに断熱性や耐久性を向上させることが可能となりました。そのため、角ログハウスはより高い性能と快適さを求める余裕のある人々から支持されるようになったのです。

角ログハウスは、丸太造りの課題を解決するため考案された住まい

角ログハウスが丸ログハウスより優れているとされる理由は、構造的、性質的、そしてメンテナンス性の観点からいくつか挙げることができます。

1. 断熱性と気密性の向上

角ログハウスは、ログ(木材)の接合面が平らに加工されているため、丸ログハウスに比べて木材同士の密着性が高くなります。これにより、建物全体の気密性が向上し、隙間風や熱の漏れを最小限に抑えることができます。結果として、冬は暖かく、夏は涼しい快適な住環境を実現し、省エネルギー性にも優れています。ダブテイルログハウスは、ログ材同士の間に隙間を設けて、そこに断熱材を入れてチンキング材で埋める為、より隙間が出来ない設計になっています。

2. 収縮や変形の抑制

木材は乾燥による収縮や形状の変形が避けられない特性を持っていますが、角ログハウスではその影響を最小限に抑えるための設計が工夫されています。特に、日本のように四季が明確で、湿度や気温の変化が大きい環境においては、この特性が大きな利点となります。角ログハウスは、ログ同士の隙間にチンキングを施したり、ログ材の接合部分や形状を工夫しているため、乾燥収縮による隙間や歪みの発生を軽減し、安定した構造を長期間維持しやすいとされています。

3. 紫外線や雨風の影響を軽減

角ログハウスのログ壁は平坦な造りとなっているため、紫外線や雨風の影響を受けにくいという大きな特徴があります。この平らな形状により、降雨時に水がスムーズに流れ落ちやすく、壁面に雨や雪が溜まるリスクが大幅に軽減されます。その結果、ログ材が劣化しにくく、腐食やクラックの発生を抑えることができます。この特性により、丸ログハウスと比較してメンテナンスの頻度が低くなり、建物全体の維持管理がより容易になるのが角ログの利点といえます。

4. メンテナンス頻度の低減

角ログハウスは、丸ログハウスと比較してログ壁の表面積が少ないため、塗装や防腐処理が容易で、作業にかかる時間やコストの面でも効率的です。特に、平らな壁面は作業性が高く、一度に広範囲を効率よく処理できるため、ステイン塗装や防腐剤の塗布がスムーズに進みます。さらに、角ログの平坦な形状は、雨や雪が壁面に溜まりにくいという利点もあり、ログ材が水分によるダメージを受けるリスクが軽減されます。この特性は、結果的に建物全体のメンテナンス頻度を下げ、長期的な維持管理を容易にする大きなメリットとなります。

5. 構造の安定性と耐久性

角ログハウスはその形状により、構造的に安定した建築が可能です。平らな面同士が互いにしっかりとかみ合うため、丸ログハウスに比べて建物全体の強度が高まります。また、地震や強風といった自然災害にも耐えやすい特性を持っています。この点は、日本のように地震が多い地域では特に重要な要素といえます。

まとめ

丸ログハウスは、そのシンプルで素朴なデザインが醸し出す独特な魅力により、多くの人々を惹きつけています。しかしながら、その構造上・性質上、いくつかの課題もあります。その点、角ログハウスは伝統的なログハウスの温かみを残しつつ、現代の暮らしに求められる快適性や耐久性を備えた設計が特徴です。丸ログと角ログのそれぞれの特長や歴史を理解することで、自分にとって最適なログハウスを選ぶための視点が広がり、理想的な住まいを見つける一助となることを願います。

本記事については、【日本ダブテイル協会】までお問い合わせ下さい。

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By | 2025年01月21日

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